60代になると「体力が落ちてきたな」と感じる女性も多いと思います。今まで普通にこなしていた仕事がきついと感じるようになったり、無理が効かなくなったり、外で働くことへの不安もでてきたのではないでしょうか。
しかし、年金受給年齢までは働かなくてはならないし、受給年齢になってもできることなら働きたいと思いますよね。体力の不安を持ちながらも働き続けたいと思っている私が、60代女性の仕事について調べました。
この記事を読むと、60代女性が働くために必要なスキルアップの方法がわかり、生涯現役を目指すことができます。
60代女性の求人状況の現実
画像引用:令和4年版高齢社会白書(全体版)
60歳の女性でも仕事はあります。
「内閣府・令和4年版高齢社会白書(全体版)」の女性の就業者の割合をみると60歳〜64歳の60.6%なので、定年後も半数以上が仕事についています。
また、総務省が行った統計調査の女性の年齢階級別就業率では、60歳を過ぎると正社員としての就業は急激に少なくなり、パート・アルバイトで働いている人が多いです。
実態として60代の女性も6割が仕事をしており、非正規雇用が多いことが分かります。なお、高年齢者が活躍できる環境整備を図ることを目的に、2021年に高年齢者雇用安定法が改正され、70歳までの就業機会の確保に向けて政策が動き始めたので、今後は正規雇用も増えてくるでしょう。
60代女性の就業の悩み
60代女性でも正社員にこだわらなければ仕事はたくさんありますが、就業にあたって大きく以下の3つの悩みがあると思います。
- 早朝や深夜の求人が多い
- 体力が落ちて不安が多い
- パソコンスキルが必要な仕事が多い
悩まないで仕事をするためにも、60代女性の就業の悩みを知っておきましょう。
それぞれ解説していきます。
早朝や深夜の求人が多い
60代女性の仕事では、コンビニや清掃の求人を見かけますが、早朝や深夜のシフトが多いです。
コンビニは土日祝日も含め深夜や早朝など、人材が集まりにくい時間帯勤務が多くなりがちだったり、清掃の仕事ではオフィスや商業施設の営業前の早朝や営業後の夜間に短時間勤務が多かったりします。
体力が落ちて不安が多い
60代になると体力が落ちてきたことを実感する人も多いでしょう。
なれている仕事であっても、フルタイムで働くことや通勤に時間がかかると体力的に辛くなります。
パソコンスキルが必要な仕事が多い
60代女性でも事務系の仕事はありますが、一般事務ではWord・Excel・PowerPointが使えることが必須です。
コールセンターや病院や行政の受付などの仕事も、パソコン画面を見て入力するので、パソコンが苦手な人には難しいかもしれません。
60代女性がスキルアップしてつける仕事
60代女性がスキルアップして就ける仕事をピックアップしました。勤務時間や体力面で不安がある人は、スキルアップをして色々な仕事にチャレンジしてみましょう。
在宅でできる仕事
在宅でできる仕事の代表例として「データ入力」「Webデザイナー」「Webライター」が挙げられます。
それぞれ特徴を解説します。
データ入力
正確さとスピードが必要なので、タイピングが無理なくできる人が向いています。できない人はタイピング講座などでブラインドタッチができるように訓練が必要です。
webデザイナー
IT企業は従業員の平均年齢が若いため、webデザイナーとして就職を目指すのは厳しいといえます。クラウドソーシングには案件がたくさんあるので、フリーランスとして活躍することも可能です。
資格は必要ありませんが、まずはwebデザインスクールで勉強してみましょう。
webライター
webライターの仕事はメディアに就職することは難しいですが、フリーランスとしてならクラウドソーシングでもたくさん仕事がありいちばんハードルが低く誰でも挑戦しやすい仕事です。
ただし、webライティングの独特な書き方やルールなどを学ばないと、継続して仕事を取るのは難しいです。ライティングスクールで基礎を学ぶことが重要です。
若いときにやりたかった仕事
子どものころや学生時代に就きたかった仕事はなんでしょうか?「花屋さん」「ケーキ屋さん・パン屋さん」「カフェ」「看護師」「保育士」などが人気でしたね。
スキルを身に付けるための学校に通ったり、通信講座で資格取得やスキルを身に付けたりすることで、60代女性でもチャレンジできる仕事もたくさんあります。
世の中に貢献できる仕事
NPO法人やシルバー人材センターでの仕事は、社会貢献しながら収入を得られ、誰かの役に立っているという実感が得られます。
また、傾聴力の高い人は、生活相談員や占い師なども向いているかもしれません。
シニアだからこそ今までの経験や人間力を活かせる場所があるでしょう。
60代女性がスキルアップするおすすめの方法
60代の女性がスキルアップを目指すときには、まずハローワークのハロートレーニングを利用してみましょう。ハロートレーニングは就職することを前提とした公的職業訓練なので、スキルを身に付けた後の心配も少なくて済みます。
自分の趣味などを仕事にしたいなら、民間の資格取得講座を受講するのもよいでしょう。日商簿記をはじめ実力のつく民間講座の受講は履歴書の資格欄に記載できるものもあります。
60代女性におすすめなスキルアップの方法は以下の3点が挙げられます。
- ハロートレーニング(離職者訓練、求職者支援訓練)を受ける
- 民間の資格取得講座を受ける
- 実力のつく民間の講座を受ける
それぞれ事例をあげ解説します。
ハロートレーニング(離職者訓練、求職者支援訓練)を受ける
ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)は、休職中の人を対象とした「無料の職業訓練制度」です。
申請先はハローワークで、キャリアアップや希望する就職を実現するために必要な職業スキルや知識を習得することができます。
雇用保険を受給している人は「公共職業訓練」を申し込む
ものづくり分野での再就職を希望する人が対象です。
分野 | 主な訓練コース |
機械分野 | テクニカルオペレーション科 |
金属加工科 | |
電気・電子分野 | 電気設備技術科 |
スマート生産サポート科 | |
建築分野 | ビル管理技術科 |
住宅リフォーム技術科 |
雇用保険を受給していない人は「求職者支援訓練」を申し込む
離職して雇用保険を受給できない人が、月10万円の生活支援の給付金を受給しながら無料の職業訓練を受講する制度です。
給付金の支給要件を満たさない場合であっても、無料の職業訓練を受講できます。
2023年4月1日より精度の要件が緩和されたので、働きながら受講しやすくなりました。ハローワークで「就職したいので受講したい」と相談しましょう。
分野 | 主な訓練コース |
基礎 | ビジネスパソコン科、オフィスワーク科など |
IT | WEBアプリ開発科、Android/JAVAプログラマ育成科など |
営業・販売・事務 | OA経理事務科、営業販売科など |
医療事務 | 医療・介護事務科、調剤事務科など |
介護福祉 | 介護職員初任者研修科、介護職員実務者研修科など |
デザイン | 広告・DTPクリエーター科、WEBデザイナー科など |
その他 | 3次元CAD活用科、ネイリスト養成科など |
民間の資格取得講座を受ける
流行語大賞でおなじみの「ユーキャン」や、女性のための通信講座がコンセプトの「SARAスクール」など、数多くの通信講座があります。
趣味性の高い資格から就職に有利な資格までさまざまなので、自分に合った講座を探しましょう。
実力のつく民間の講座を受ける
簿記資格やファイナンシャルプランナーなど就職に有利な資格や、個人事業主としての未来が開けるweb関係の講座で実力をつけましょう。
簿記2級・3級取得講座
簿記資格は国家資格ではありませんが、合格すれば就職に役立ちます。
簿記3級は基本的な帳簿のつけ方や仕訳などが一般事務につきたい時に有利です。さらに簿記2級では財務諸表の作成や決算処理の知識などを学ぶので、税理士事務所などへの就職も期待できます。
ファイナンシャルプランナー FP3級・FP2級
ファイナンシャルプランナーは、不動産や投資、税金の制度などの知識があることから家計の専門家といわれます。
就職の際もアピールできる資格です。
webライター講座
副業でも大人気のwebライターですが、自分で好き勝手に書いていては低単価の案件しか取れないので最初に正しい書き方を学ぶ必要があります。ほとんどがオンライン講座です。
webデザイナー
webデザイナーの学習も多くがオンライン講座です。
webデザインを学ぶことで「webサイトの更新ができる」というアピールができ、就職に有利に働くことも多いです。
まとめ
60代女性に仕事があるのか?といえば、選ばなければ仕事はあります。
ただし自分の体調を考慮しつつ、やりがいのある仕事につこうと思ったら、雇用主に必要とされるスキルを身につけなければなりません。
ハローワークなど公的機関を利用し、就職することを前提に「離職者訓練・求職者支援訓練」を受けることも検討しましょう。
趣味を生かした仕事をしたいと考えるのなら、民間の資格取得講座を受けるとよいです。また、将来、飲食店などの店舗を持ちたいと考えているなら、経営まで学べる学校に通うことが必要です。
在宅での仕事をしていきたいと考えているのなら、webライターやwebデザイナーなどがおすすめな仕事になります。
60代女性では無理だろうと思わず、スキルアップして生涯現役を目指しましょう!
コメント