グルテンフリーの飲食店は需要ある？メリットや注意点を解説

注目を集めつつあるグルテンフリーの飲食店。

飲食店を経営しているけれど、これからグルテンフリーの飲食店に業態替えを考えている方は、時代の流れに乗ったひとつ上の飲食店経営を目指していますよね。

グルテンフリーは有名スポーツ選手やスーパーモデルが、食事に取り入れていることで注目を集めました。

グルテンフリーの飲食店がメディアでもたびたび取り上げられるようになりましたが、本当に集客できるのかと不安を持つ方もいるのではないでしょうか。

グルテンフリーの飲食店も他の飲食店と同様、店づくりの企画段階で成功の可否が決まります。

グルテンフリーの飲食店を成功させるためには、まず世界の流れを知り需要があるかどうかを知らなくてはなりません。

本記事では、グルテンフリーの市場やインバウンド需要などを参考にグルテンフリーの飲食店経営の可能性やデメリットや注意点について、またグルテンフリーの飲食店を成功させるコツを詳しく解説していきます。

そもそもグルテンフリーの飲食店は需要があるのか？

グルテンフリーの飲食店の数は確実に増えていくことが予想されます。

GII（株式会社グローバルインフォメーション）によれば世界のグルテンフリー食品の市場規模は2022年の62億6000万米ドル、2023年は70億1000万米ドル、さらに2027年には105億2000万米ドルに達すると予測されており1兆円規模の市場となります。

また農林水産省のホームページには、『グルテンフリーの食事を必要とするグルテン関連患者数、米国で約1,200~2,600万人(全人口の3.7~8.0%)、欧州で約400~4,900万人(全人口の1.3~15.0%)』と報告が掲載されています。

一方、日本では小麦アレルギーの発症率は0.21％と少ないですが、Vegewel（ベジウェル）が2023年1月に実施した調査によれば、健康意識の高まりからグルテンフリーの食生活に取り組んでいる日本人は4.3%いることが分かりました。

今後インバウンドが回復していくなかで、日本より多くのグルテンフリーの食事をしている外国人観光客からの需要も多くなることが確実に予想され、飲食店経営でもフードダイバーシティに対応することが求められるでしょう。

現在はまだ数が少ないグルテンフリーの飲食店ですが、日本人の健康意識への高まりとインバウンドの増加から今後の需要は大きく見込めます。

グルテンフリーの飲食店のメリット

グルテンフリーの飲食店は、安心安全なお店として健康志向の高い人たちの注目を集めるでしょう。

また、外食時の飲食店探しに苦労している小麦アレルギーの人にとって、グルテンフリーの飲食店が増えることはとても嬉しいことです。

健康意識の強い人や小麦アレルギーの人を、開店前から顧客として開拓できることは大きなメリットです。

健康志向が強いリピーターを獲得できる

グルテンフリーの食事を提供する飲食店は、健康志向の強い顧客を捕まえることができます。

健康志向が強い人は食べ物が体を作るという意識を持っているので、食事にはとても気を使っているからです。

そのため自ら情報を求め、積極的に体に良い飲食店を探しています。

また、グルテンフリーの飲食店は現在まだ多いとはいえないので、納得できる食材であればリピーターとして訪れる可能性が高いでしょう。

小麦アレルギーの人も集客できる

グルテンフリーの飲食店は、小麦アレルギーの人を高確率で集客できるでしょう。

小麦アレルギーの人は外食に苦労しているので、グルテンフリーの食事を提供する飲食店をいつも調べています。

例えばスターバックスで販売しているグルテンフリーの『米粉バナナマフィン』や、びっくりドンキーの『乳・小麦・卵を使わないハンバーグ』などは、小麦アレルギーの人たちの間でSNSを中心に話題となっています。

また小麦アレルギーの人たちは、より安心な食事を楽しむために、外食できるグルテンフリーのお店を自らSNSで発信し共有しています。

グルテンフリーの飲食店は、小麦アレルギーという悩みを解決できる飲食店として集客ができるのです。

グルテンフリーの飲食店のデメリットや注意点

グルテンフリーの飲食店は食材にこだわるので、どうしても高単価になります。

また、意識高い系なお店として、一般の人からは敬遠されるかもしれません。

高単価になりやすい

グルテンフリーの食事は高単価です。

例えばグルテンフリー食材として代表選手の『米粉』は、製粉の製造ラインで小麦と混ざることがあり、グルテンを取り除こうとすると生産ラインを単独にしなくてはならないのでならないのでコストが高くなります。

直接グルテンフリーではありませんが、アレルギー体質の人が極力さける『アレルギー表示28品目』についても配慮する必要があるので、使用する調味料なども高価格です。

食材の単価が高いため商品の価格もあがり、ランチを安く済ませたいというお客様は、集客できない可能性が高くなります。

しかし原材料のこだわりや安心安全を視覚化することで、価格への納得感を高められ集客に繋がるでしょう。

意識高い系に思われやすい

グルテンフリーの食事は、テニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチ選手が実践し、『ジョコビッチの生まれ変わる食事』という本を出版したことで話題になりました。

最近ではサッカー日本代表選手の長友佑都選手や大リーガーの大谷翔平選手が実践しているとメディアでも取り上げられ注目されています。

スーパーモデルの冨永愛やROLAや長澤まさみ、ディーンフジオカなどの有名芸能人などもグルテンフリーの食事を取り入れています。

世界で活躍しているスポーツ選手やスーパーモデルや芸能人などが取り入れているので、一般の人にはハードルが高く意識高い系と思われがちです。

また『グルテンが全く入っていない』と思ったグルテンフリーの商品に微量の小麦が混じっていて、セリアック病の人や小麦アレルギーの人が重篤な症状を起こしてしまったという事故が起きています。

グルテンフリーの食事には微量ながらグルテンが含まれていることを、提供する側も認識し、掲示物やメニューなどに記載し注意をうながしましょう。

グルテンフリーの飲食店を成功させるコツ

グルテンフリーの飲食店を成功させるために一番重要なことは、開店前にグルテンフリーに興味のある人や小麦アレルギーの人に、必要な情報を届けられるかどうかです。

SNSの発信や健康意識の高い人が利用する業態に営業をかけるなど、オンライン、オフラインともに地道な作業が必要となります。

SNSの発信で興味を持ってもらう

グルテンフリーの飲食店の宣伝にはSNSを活用しましょう。

SNSでのアカウント運用は開店の準備段階から始め、グルテンフリーに興味のありそうな個人アカウントをフォローしていきます。

グルテンフリーの食事を実践している人たちに、新たにオープンするグルテンフリーの飲食店を応援してもらえるような発信が必要です。

SNS広告は性別や在住エリアなどを絞り込みやすいので、オープン前の宣伝に適しているといえます。

またインバウンド需要に対応するために、外国語での発信も欠かせません。

近隣の健康志向の高い業態に営業をする

近隣にある健康関連の施設などに営業をし、グルテンフリーの飲食店のチラシや割引券を置かせてもらいましょう。

健康関連の施設には、健康志向が高い人が集まっているので効果的に集客できます。

グルテンフリーの食事は、特に女性が興味を持つ傾向があるので、ヨガ教室や女性専用のスポーツジムへの営業は必須です。

またグルテンフリーの食事はテニスプレーヤーのジョコビッチ選手が広めたのでテニス教室への営業も効果が期待でき、大谷翔平選手や長友佑都選手もグルテンフリーの食事を取り入れているので、野球チームやサッカーチームへの営業もよいでしょう。

健康志向の高い業態の経営者や行政と連携し、健康イベントを行うことも効果があります。

まとめ

グルテンフリーの飲食店は、健康意識の高まりやインバウンドの増加により、今後需要が増えることが予想されます。

グルテンフリーの飲食店のメリットとしては、健康志向の強いリピーターや小麦アレルギーの人たちを顧客として獲得できる点があげられます。

一方で、グルテンフリーの飲食店は食材にこだわるため高単価になりやすく、またスポーツ選手や有名人が実践していることから意識高い系と思われる可能性があり敷居が高くなりがちです。

敷居の高い業態と思われがちな飲食店を成功させるためには、SNSの発信を活用して興味を持ってもらうことや、近隣の健康志向の高い業態に営業をかけることがあげられます。

インバウンド需要を見越した外国語対応も必須です。

グルテンフリーの飲食店経営は新たな試みという面もありますが、飲食店経営の基本の努力と工夫によって、成功することができることでしょう。

未来を見据えたグルテンフリーの飲食店経営で、健康志向の人だけでなく外国人観光客など多くの人々に喜ばれるお店を目指してチャレンジしてください。